超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2024-02-12から1日間の記事一覧

指一本を詩一篇と交換してくれるおじさんが刑務所から出てくる日まで、毎日爪を綺麗に磨いている。

紙飛行機

死ぬ人がいない町の役所の床に、死亡届で折られた紙飛行機が無数に落ちている。

その焼き芋屋は、刑務所の前を通る時、わざと声を張り上げる。