夜、恋人の耳から漏れてくる光で目が覚めたので、眠い目をこすりながら愛を囁くと、光はふっと消えた。
なけなしの小遣いで雨雲の素を買った少年が、団地中のベランダに干されている洗濯物をじっと睨んでいる。
全ての生命が滅びた星で、造花がゆっくりと匂い始める。
私がこのコタツで蜜柑の白い筋を剥き始めて、そろそろ千年が過ぎようとしている。
冬の朝、自販機の傍に転がっている空き缶から、白い息が吐き出されている。
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