冬の夜、中の人が貧乏ゆすりをしているらしく、シャボン玉の自販機が、細かく震えている。
近所を散歩中、突然雨が降ってきたので、パーカーのフードを被ると、フードの中から、ばさっ、と「遺書」と書かれた封筒が落ちてきた。
今日の入道雲はバーコードのある方がこちらを向いているからはずれだ。
死体で遊んだあとの息子が手洗いをしながら、舌足らずの念仏を唱えているのを聞いて、思わず笑みがこぼれる。
火葬場の煙突にしがみついて鳴いていた蝉が、ふいに死んで落ちてくる。
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。