2023-11-29から1日間の記事一覧
その日の朝、モグラたたきのモグラたちは、遺書を書いていた。
金魚すくいの屋台の店先に金魚が一匹吊るされてもがいており、店の親爺がこいつ死なないんだよと笑う。
満月が段ボール箱からはみ出て蓋が閉まらず、やっぱり三日月の夜に引っ越せば良かった、と思う。
独房の時計が一分遅れていることを発見した死刑囚がさめざめと泣いている。
ある冬の日の授業中、ふと外を見たら、雪の重みで折れたらしい木の枝が、地面をのたうち回っている。
正月に神社で、学校の飼育小屋の兎たちの分までおみくじを引いたら、それらがすべて大凶だった。