超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2023-11-16から1日間の記事一覧

UFO

カツラの大群が、UFOのように空を飛び、俺の禿げ頭を探して、右往左往しているのを、ゴミ箱の中で震えながら見ている。

学生たち

死体部の学生たちがマネキン人形を担いで河原へ歩いていく。

いる

墓参りの時、祖母の墓前に置かれている顕微鏡を覗いた母が、「いるわ」と言って笑った。

三百匹の羊を数えた辺りで、僕は眠りに落ち、翌朝、僕の財布からは三百円がなくなっている。

授業

理科の授業で、囚人の命の重さを量っている時、突然囚人がけたたましく笑い出して、怖かった。