超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2023-10-28から1日間の記事一覧

ペンだこ

俺の魂を天に運びながら、「面白い死に方だね」と話しかけてきた天使の指にペンだこを見つけ、何か書かれるんじゃないかと心配になる。

寂しくて眠れないでいたら、独房の外で、看守が蛙の鳴き真似をしてくれて、眠れた。

手鏡

交差点の真ん中に手鏡が落ちていて、道行く人々がちらりと目をやってそのまま去っていく中、一人のホームレスが、その鏡を覗いて「俺映ってねえぞ」と怒鳴り始める。