帆の穴を俺の遺書で塞いだ旅人の舟が、朝日に向かって旅立っていく。
夏の夜、蚊帳の外から聞こえる「ぶーん、ぶーん」という音が不自然なので、目をやると、宇宙服を着た人たちが立っていて、手に持ったラジカセから蚊の羽音を流している。
駅の売店で買った恋人と電車に乗り込むと、恋人がどこへ行くのかと尋ねるので、海だと答えると、恋人が死ぬのかと尋ねるので、そうだと答えると、恋人は私また値段が下がっちゃうわ、と笑った。
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