「肉が柔らかくなる」と信じて、その肉屋は毎日、売り物の肉たちに向かって冗談を言い続けている。
夜道、地蔵の口元についていた赤い物を舐めるとケチャップで、何だ、ケチャップかよ、と思う。
風のない暑い夏の夜、元テレビマンの父が病室の窓を開け、「風」と書いたカンペを天に見せていた。
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