超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2023-07-03から1日間の記事一覧

お父さんが死ぬ直前に完成させた、シュークリームで動く車が、車庫の隅で、甘い匂いをさせながら錆びていく。

レフェリー

レフェリーの10カウントとともに、再び夏空にもこもこと入道雲が立ち上がっていく。

あの夏

「いくら持ってんだ?」と蝉が訊くので、ポケットの中から十円玉を取り出して見せると、蝉はため息をついて、二十円分鳴いてくれた、あの夏。