超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2023-01-31から1日間の記事一覧

苦笑い

就職面接なのに、鞄から金魚の死骸ばかり出てきて、履歴書を出すことができず、面接官に苦笑いされている。

焚火

「おや、まだ生き物がいたのか」と、神様が、もう不要だと思い、今しがた焚火の中に投げ込んだ青い星から、肉の匂いが立ち上ってくるのを嗅いで、つぶやいた。

イカサマ

サイコロで出た目の数だけ、赤ん坊をぶとうと決めた母親が、泣きながら薄暗がりで、サイコロの全ての面に油性マジックで「0」と書き込んでいる。