超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2022-02-10から1日間の記事一覧

金魚

「残念だったね、はいこれ」金魚を一匹もすくえず肩を落としていた子どもに、屋台の親爺が一匹の金魚を手渡す。すると子どもは異常なほど喜んで、駆けていき、神社の裏に碇泊していたUFOの中に消えていった。

蛇が、私と一緒に、スマホを飲み込んでくれたお陰で、溶けるまで退屈せずに済んだ。

カラス

ゴミ捨て場のゴミ袋を破って荒らしたカラスたちが、それぞれのゴミを出した家の玄関の前に、石ころを置いていく。どうやら投票が行われているらしい。