超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2022-01-13から1日間の記事一覧

夏に死ぬから、青い棺桶がいいなぁ、私。

レバー

おじいちゃんの葬儀中、おばあちゃんの介護の人が、おばあちゃんの両こめかみから突き出たレバーをぐるぐる回し始めた直後、おばあちゃんの両目からぽろぽろ涙が溢れてきた。

親指

深夜、バイトの帰り道、「事故多発 注意」の看板の陰で何かが動いたので、ふとそちらに目をやると、そこに供えられた花やお菓子の類に、親指くらいの大きさの人たちがびっしりたかっていて、くちゃくちゃとそれをむさぼり食っている。