2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧
「麻酔が切れる前に話し合いを終わらせますから」と誓って、医者は私の腹を切り裂いた。
あかんわ。なぁ、母ちゃんな、今日悲しい気持ちやから、裏の、アホの生る樹ぃから、ひとつ、もいできてぇ。
道端で猫をいじめていたら、背中にサメの背びれのはりぼてを付けた半裸のおじさんがやってきて、「ここが海だったらお前を食べてるんだがなぁ……」と残念がられた。
定食屋の店先。本日のランチ。「宇宙旅行とライス」そこに置かれているのは、白飯の食品サンプルと注射器。
あ、この赤ちゃんは、そこで……うん……安かったから……。
火葬した祖父の台車を取り出すと、頭蓋骨にQRコード。私が親族を代表して読み取ると、3等のトートバッグが当たった。
空きっ腹をさすりつつ空を見上げていると、遠くから一台のサファリバスがやってきて、私たちの住むスラム街をゆっくり走り抜けていった。
押入の奥から出てきた昔の携帯の説明書をめくっていたら、電話のかけ方やメールの送り方を説明するページに載っているサンプルの画面の図の時刻が、全て明け方の4時44分に発信・送信したことになっているのに気づく。
せっかく動物園に行ったのに、どの檻を見ても、すべての動物がスマホをいじっていて全然面白くない。
今日は家族でそれぞれの部屋のお掃除。娘が空にした玩具箱を抱えてやってきて、底に溜まった糞をざあっとゴミ箱に捨てる。
あ、もしもし、出前をお願いしたいんですが。えーと、三人前です。空を飛ぶ夢と、犬と喋る夢と、美女とやる夢。はい、いつもの部屋でみんな寝てますので、はい、お願いしまーす。
今夜は女房を抱く日だから、女房を先に布団の上に寝かせ、股ぐらの前に卵を置いて、女房の中から蛇が出てくるのを待つ。
影が濡れてるってこた惚れたってことよ、はっはっは。
「手をあげろ!」銀行強盗が銃を手にそう叫んだ瞬間、銀行内の時計の針が一斉に2時50分を指した。
テントウムシの二番目と四番目の黒点を同時押しで春が終了します。
ネットで見つけたそれは、どこかの夏祭りを映した映像だったが、一軒の屋台ののれんにモザイクがかけられており、目を細めるとうっすら、「忌」と「肉」という字が読める。
※死んでもいい人を使用しています。
朝のゴミ捨て場に、真っ黒に焼け焦げたドールハウスが三週連続で捨てられていた次の週、真夜中、近所の家が火事に遭った。
あ、もう三日月だ。そろそろ詰め替えないと。
キツツキとは別れた。キスがしつこかったから。
「こっち、こっち」涙をこらえる母親に導かれて、一人の赤ん坊が、絞首台の階段をはいはいでのぼっていく。最後の晩餐はハチミツだったそうだ。
蝿がたかってるのが本物。色んなところ取れやすくなってるから、気を付けて遊んでね。
「理科準備室の壁には決して覗いてはいけない穴がある」そんな噂が校内でささやかれ始めて数ヶ月後、担任の先生に呼び出され、理科準備室の鍵とともに「お前は覗け」と言われる。
ゆうべ彼氏と入ったラブホテルの部屋にはお地蔵様が四体置かれていたが、視線を感じるのが嫌という人が多いのだろう、首を百八十度回せるようになっていて、親切なホテルだと思った。
この公園に住むホームレスはみな宇宙服を着ていて、星の綺麗な夜には一所に集まって、わけのわからぬ歌を歌っているのをよく見る。
B組が使うから、プールに塩を溶かす。
募舌箱に、今日ようやく、一枚。
開封後は、情が湧く前に食べきってください。
ここ半年の行方不明者のリストを片手に、医者は俺の口に胃カメラを突っ込んだ。
今日の火葬場の煙、なんか、読めそうだな。