「朝ですよー、起きてくださーい」そう言って女は今朝も、夫の骨壺の中身を一つ一つ陽の当たるベランダに並べていく。
「需要があるから取り壊せないんだよねぇ」老人はそう言って廃屋の一室の扉を開けた。その部屋の壁には、びっしりと藁人形が打ち付けてあった。「山の木より効くらしいんだ」老人はどこか照れくさそうにつぶやいた。
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。