裏路地の塀に貼られた「忌中」の紙に、誰かが「(本当だよ)」と書き足した。
今夜の小さなコンサートが終わったら、そのピアニストは、自分の指を指屋に売り、得た金で花嫁を迎えねばならない。
いつも晩酌に付き合ってくれる妹の人魂が、今夜は私の見知らぬ人魂を連れてきた。
ずっと拾われない捨て猫の傍らに、誰かが招き猫を置いた。
拾い物のそのテレビは、海の映像を映したがらない。
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