2019-01-01 白いおじさん トモコからきいた話 「××くん おたんじょうび おめでとう」 と書かれたチョコレートの板を、おでこにくっつけた白いおじさんが、肩を落として、とぼとぼ夜道を歩いていた。すれちがうとき、とても甘い匂いがした。「××くんには、会えたんですか?」 背後からそう声をかけると、白いおじさんは肩越しにさびしい笑みをうかべて、そのまま去っていった。 そのあと、なんとなく、コンビニによってショートケーキを一つ買って帰った。とても甘かった。