超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

せせらぎ

 川沿いの道を歩いていたら、上流から醤油差しが流れてきた。
 河口の近くを通りかかった時、どこからともなく「醤油取って」という声が聞こえてきたのが、確か二日前のことだ。
 醤油の去った川をのぞき込む。
 いつも通りの澄んだ水が流れている。
 今夜は冷や奴にしよう、と思った。