超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ほかほか

 夕飯を食べた後くらいからどうも頭が熱っぽい。
 おまけに靄がかかっているかのように視界が濁っている。
 救急車を呼び、外へ出る支度をしている間、あまりにつらくて思わず頭をかきむしると、突然、額から上がぽろっと外れ、いい匂いのお湯とともに、裸の女が転がり出てきた。
 床に放り出された女は慌ててバスタオルを身にまとい、呆然とする私を怒鳴りつけて走り去っていった。
 救急車のサイレンが近づいてくる。
 とりあえず、脳味噌が茹で上がっていないかどうか確かめてもらおう。