超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

花火女

 花火女のクミコさんが、火薬の詰まった頭を氷枕にのせて、悔しそうに夏祭りの灯りを眺めている。
 「来年こそは打ち上がってやる」と彼女は意気込んでいるが、俺としてはその前にプロポーズするつもりだ。