役所に背中の翼を切られたから、明日から電車通勤だ。
引きこもりの兄宛てに届いた喪中葉書を、兄の部屋のドアの隙間から手渡す時、兄の腕の内側に、カッターか何かで「女」という字が彫られていることに気づく。
公園の段ボールハウスから聞こえてくる、すすり泣く声。さっきまであのハウスからは、ハッピーバースデーの歌が聞こえていた。
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