超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2022-12-01から1日間の記事一覧

蜃気楼

その海から見た蜃気楼に映っていたのは、端から端までぎっしり火葬場だった。

4時

4時に死のうと思ったら、家じゅうの時計が3時59分で止まって動かなくなった。

木魚の音と読経の声が止んだ時には、月はすっかり溶けてしまい、溶けた月で夜空がうっすらと明るくなっていた。