超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

力こぶ

 朝、テレビの映りが悪い。おまけに、廊下の電気がちかちかしている。またか。ベランダの窓を開ける。我が家の目の前に立っている電信柱、こいつが原因だ。この電信柱が、登校途中の女子高生たちに、最近できた力こぶを自慢するために、くの字に折れ曲がったりまっすぐになったりを繰り返している。そのたびに電線が揺れて電気が不安定になるのだ。このコンクリートの力こぶを、女子高生たちが面白がって写真に撮ったりするから、ますます調子に乗ってしまう。ううむ。そういうお年頃なのか?もう少し大人になってほしい。