超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

マザー

 最近ハイハイを覚えたばかりの息子が、せわしなく部屋を動き回っている。
「××!おいで!」
 そう息子を呼ぶと、息子は、わざわざ俺のいる方のウィンカーを点け、直角に曲がって俺の足下へやってきた。
 こういう几帳面なところはマザーにそっくりだ。

 ちゅっ。
 ピピッ。