超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

審判

 寝ようとしたら母に呼ばれた。
「何?」
「お母さんのこと、好き?」
「え?」
「どうなの?」
「まあ、好きだよ」
 母は複雑な顔で笑った。

 翌日、私宛に手紙が届いた。
 ものすごい達筆で、「気に入っていらっしゃるようですので、そのまま差し上げます」と書かれてあった。

 その日から、母が少し冷たい。