超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

サイレン

 夜、コンビニに行く途中、道ばたで赤ん坊の私を拾った。
 高校生の私がいるレジでオムツとおでんを買い、帰路を歩いていると、犬の私が生ごみの私を貪り食っていた。
「違うんですよ、これは私なんです」
 生ごみの私が恥ずかしそうに言う。赤ん坊の私と混ぜたらどこまで私かわからなくなった。