超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ピーターパン

 この図書館に勤める司書は新人の頃、ちょっと変わったある作業を担当するのが習わしになっています。
 それは、毎朝、来館者が訪れる前に児童書のコーナーへ行き、床に散らばった白髪の束を片づけるという作業です。
 はい?
 それだけです。
 ええ。
 はい。
 あ、大丈夫です。
 それは七人に一人くらいなので、ほとんど大丈夫です。