超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ふたりで肥る

 最近ちょっと食べ過ぎかな、とは思っていたが、風呂上がりに体重計の上に乗ってみたら、案の定ちょっと増えていた。
 とりあえずダイエットはするとして、私が肥ったなら彼にも肥ってもらわなきゃいけない。
 クローゼットの奥からもう着ない服や古いバスタオルを引っ張り出し、ソファに座っている彼のお腹周りに詰める。
 ダイエットしたらすぐ取り出すからね、と言うと彼は優しい顔でガクガク頷いた。