2017-07-23 蝶を逃がす マリコからきいた話 今朝も悲しい夢で目が覚めた。 深くため息をつき、認めたくなかった言葉を心の中でつぶやく。 やっぱり私たちは合わないみたいだ。 パジャマを脱ぎ、胸を開き、心臓のファスナーを開けると、白く美しい蝶がのろのろと這い出てきた。 何か言いたいのに何も浮かばない。 黙って窓を開ける。 蝶は太陽の光を全身に浴びながら、大きく羽を広げ、どこかへ飛び去っていった。 からっぽの心臓に休日の風が冷たく染みこんでいった。