超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 庭で遊んでいた息子がとつぜん空を指さして「へびー」と言った。見上げると、なるほど確かに蛇の形に見える雲が浮かんでいる。にょろんとした体はもちろん、先端に頭に見える部分もあって、さらにそこからちょろりと舌に見える小さな雲も飛び出している。確かに見事な蛇だ。問題は、お腹の辺りが明らかに飛行機の形に膨らんでいることだが。