超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

荒野の一人

 自由の女神の欠片、モナリザの欠片、西瓜畑の欠片、私の住処の傍を流れる濁った川に、今日も様々な欠片たちが浮き沈みしている。
 何もない荒野の中心でひざを抱え、この川を眺めるのが、今の私の唯一の日課だ。
 私の欠片は、まだ見つからない。