「亡くなった夫を、ジグソーパズルにしてもらったのですが……友人や親戚に反対されてしまいまして、ええ。で、いろいろと話し合った結果、ひとまず元通りに組み立てて、それから改めて焼いていただくことになりまして。
「夫の実家の広いお部屋をお借りして、夫の元の同僚の方や、私の友人、互いの親戚、それから念のためお坊さんですね、とにかく方々から人をお呼びして、皆で亡くなった夫を、元通りに組み立てたんです。
「そしたらね、途中でお義母さまがお茶やお菓子を出してくださったりして、そういうのもあるのかもしれませんけど、案外和やかな雰囲気でね、組み立てながら皆で、夫の思い出話に花が咲いちゃって。何気ないピースを手にとって、あらこんなところにほくろがあったのね、なんて言いながら、うふふ、皆でわいわいがやがや。
「最後は全員で記念写真なんかもね、ええ。
「ええ。ええ。そうなんです。
「そう考えるとやっぱり、亡くなった夫をジグソーパズルにしたのは、案外悪くないアイデアだったのかなって、今では思います」