超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2014-02-03から1日間の記事一覧

毒と影

彼女は自転車に跨って、制服をひらひらさせながら、夕暮れの人ごみに消えていった。僕の手に握られた、ドクロマークの描かれた可愛い瓶には、彼女がくれた毒の水が、青い霧のようにたゆたっていた。 僕は瓶をポケットに入れて、慎重に河原の土手を下り、それ…