病院のベッドから窓の外を見ると、空に立派な三日月と、三日月にしがみつく黒い大猫の姿が見えた。猫はふさふさした前足で必死に三日月の端を掴み、ずり落ちないように踏ん張っていて、夜空に投げ出された後ろ足は、じたばたとむなしく空を切っている。目を…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。