超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

海の匂い

 海の匂いが近づくにつれ、道端に増えていく、尾びれのついた地蔵たちを、父の運転する車の後部座席からぼんやり眺めつつ、腿に生えてきたうろこを指でいじっている。