超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

猫葬

 祖父は猫葬で弔われた。体の大きかった祖父は、十六匹の猫になって帰ってきた。私は白猫をもらった。背中にほくろのような点が一つ。私は、ああ、右手だ、と思ったが、祖母は「金玉だ」と言って譲らない。