超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

へそ

「あなたの指なら届きそうね」道を歩いていたら、知らない女に声をかけられた。「何ですか?」女は何も答えず、いきなりスカートをたくし上げた。「えっ」「へその奥のスイッチ」女は私の手を取り、自分のへそに私の指を突っ込んだ。カチッと音がした。「ありがと」女は笑って去っていった。次の日、その女は妊婦さんになっていた。