超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 駅のホームで電車を待っていたら、一人のおじさんがやってきて、私と少し離れた場所に立った。おじさんは何かを調整するようにもぞもぞしていた。どうやら、私の影と自分の影を重ねているようだった。何か気持ち悪いな。そう思った数ヶ月後、私の影は孕んでいた。