超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

尻尾

 あてもなく町を歩いていたら、町外れの無人販売所に、尻尾が売られているのを見つけた。「人間、飽きませんか」とたどたどしい字で書かれた紙が貼られている。何かの気配を感じてはっと顔を上げると、販売所の裏にある畑の向こうの森の中から、無数の光る目がこちらを見つめていた。どうしよう。飽きたといえば飽きているしなぁ。