超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

「あっ、××君」「なあに?」「××君の影、よく見るとキリトリ線があるよ」「本当だ」「ハサミで切ってみようか」「そうだね」チョキチョキ。「ブタだね」「うん、ブタだ。ブタの形の影だ」「××君は本当はブタだったんだね」「そう言われればそんな気がしてきたよ。ぶうぶう」「ほら、ぶうぶう言ってる」「本当だ。ぶうぶう」「ブタと遊んでるとおかしな人だと思われるからもう××君には会えないけど、思い出は忘れないよ」「ぼくも、ぶうぶう、だよ。ぶうぶう」「さようなら。いつかトンカツで会えるといいね」「ぶう」