超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 夕焼けを眺めていたら、とつぜん夕日に、目玉の写真が映し出された。「こうなる前に……」町じゅうのスピーカーからそんな声が聞こえる。眼科の広告らしい。どうやら真っ赤な夕日を、真っ赤に充血した目玉に見立てているようだ。が、どうにも気味が悪い。たぶんすぐに差し替えになるだろう。この前の完熟トマトの広告の方がよっぽど良かった。