いままでたのしかったぜ、もうあえなくなるけど、しっかりやれよ。たぶんそんないみのことをわふわふといって、あいつはまえあしでぼくのかたをそっとだいた。ぼくはあいつがなんでそんなことをいうのかわからなかったけど、あいつはぽろぽろなみだをながしてた。それからあいつはわおーんとほえて、ほんだなのなかにすいこまれていった。あいつのすわっていたばしょには、あいつのなみだのみずたまりができていた。そのなみだはほんのりインクのにおいがした。だいどころで、れいぞうこがひくくうなっていた。いつかのたんじょうびの、まえのばんのことだ。