超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

じゃんけん

 水族館の清掃員の仕事に就いてから、ヒトデとじゃんけんをするのが、毎日の日課です。館の隅の水槽にひっそりと生きているやつです。ほとんどがあいこですが、たまに勝つ日もあります。そういう日は、帰りにビールと刺身を買って晩酌することにしています。負けた日ですか?負けた日はヒトデのいる水槽を、三回磨いてピカピカにしてやることに決めています。そうですねえ、じゃんけんの時、いつもヒトデがつまらなそうにしているのが寂しいです。