超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

小袋

 空を見上げた。雲一つない快晴だった。カンカン照りの太陽に、雲を詰めた小袋がテープで貼りつけてあった。今日の太陽をあたためた人が、雲の小袋を開けるのを忘れたらしい。間違いの快晴の空へ、鳥がのびのび飛び去っていった。