放置自転車のかごにねじこまれている、丸めたウェディングドレス。
夕焼けに染まる教室で、ぼくにひざ枕されている担任の先生が、「お兄ちゃん死なせてごめんね」とつぶやく。
「ちょっと、おばあちゃん。これ、鏡に映ってるおばあちゃんだから、たわしで擦っても消えないよ」「消えるよぉ」「消えないってば」「消えるよぉ。私のお兄ちゃんはこうして戦争に行かなかったんだからぁ」
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