超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2020-10-16から1日間の記事一覧

包丁

それは「菜切り包丁」の間違いなどではなく、確かに「名切り包丁」で、私は今も、あの日狂った母に切り落とされた下の名の行方を、探し続けている。

四人

ある朝目覚めると、女房と全く同じ顔の女が四人、俺を囲んで見下ろしていて、「えっ?」と驚く間もなく、「シンキングタイム、スタート!」、一斉に叫んだ。