苔むした赤い風船が、虫に食われてぼろぼろになった紐を揺らしながら、今日もあの子を探して、裏路地をふよふよと漂っている。かつて自分の紐を握りしめて、この裏路地を駆けていたあの子のことが忘れられないのだ。いじめっ子にいじわるされて離ればなれに…
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