超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

授業

 授業中、どこからか教室に迷い込んできた老いた野良猫が、チョークを一本くわえてそのまま出ていった。放課後、子猫の集団とすれ違った。みな一様に「ひとつかしこくなった!」と言わんばかりに目を輝かせ、耳をピンと立てていた。かつおぶしのねだり方とかそういうことか。いや、もしかしたらもっとえげつないことかもしれない。授業聞きたかったな。