超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

輪ゴム

 道を歩いていたら、頭上からプチッと音がして、切れた輪ゴムが落ちてきた。その直後、晴れた空が一瞬で雨雲に覆われ、ものすごい大雨が降り始めた。どうやら、輪ゴムでまとめておいた雨雲が、はち切れてしまったらしい。きちんと整理しておかないからこういうことになるのだ。こちら側にもあちら側にも予期せぬ大雨は、その後数日間降り続いた。