超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

賽銭箱

 近所のさびれた神社を何となく訪れ、古びた賽銭箱に小銭を投げ入れたら、妙な音がした。賽銭箱の中を覗き込むと、そこには小銭ではなく義眼がぎっしり。鈴を鳴らし、手を合わせている最中、ずっと賽銭箱の中から視線を感じていたから、本物の目玉も混じっていたのかもしれない。願ったことはもちろん世界平和だ。