超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

寝相

 夜中、テスト勉強に疲れてふと窓の外に目をやると、見たこともない星座が夜空に浮かび上がっていた。注意深く星々を結ぶと、それは私の妹の寝姿になった。寝相の悪い妹が、ベッドから夜空へ転がり出てしまったらしい。今夜は熱帯夜だから、窓を開けっ放しにしておいたのだろうが、それが仇になったのだ。まぁ、夏の夜空だから、風邪は引かないだろうな。明日の朝、自分のいる場所に気づいてびっくりするだろうな。迎えに行くのは骨が折れるな。そんなことを考えている間にも、妹の寝相に合わせて星の位置がころころ変わる。可愛いけど、少し恥ずかしい。頼むからおねしょだけはしないでくれよな。